セキュリティシンポジウム越後湯沢2019まとめ-DXと機械学習、地域ITセキュリティコミュニティ

越後湯沢、今年も新米おにぎりが大層美味でした…冷害を心配していましたが心配無用でした。
本当に大層美味でした。来年は新酒も嗜めたら…ぐふふ…

情報セキュリティシンポジウムin越後湯沢2019、台風の影響で3分の2程度の開催時間になってしまいましたが、興味深い内容が満載でした。道後白浜越後湯沢は、開催実績も長い、まったくハズレ無しのセキュリティシンポジウムです。

 

2019トレンドワード「DX(デジタル・トランスフォーメーション)」

さて、シンポジウム会場の今年のトレンドワードは、ズバリ「DX」。
「DX」は、「デジタル・トランスフォーメーション」の略です。経産省のDXページでは、下記のように紹介されています。

 

経済産業省のデジタル・トランスフォーメーション(DX)とは
これまでの、文書や手続きの単なる電子化から脱却。
IT・デジタルの徹底活用で、手続きを圧倒的に簡単・便利にし
国民と行政、双方の生産性を抜本的に向上します。
https://www.meti.go.jp/policy/digital_transformation/index.html

 

少しDXの例を挙げてみます。
経産省が進めている「IT導入補助金」は、書類郵送や押印が不要です。
補助金申請から事業完了までの全てを、IT導入補助金のウェブサイトで完了します。

また、Alphabet社(Google)の参加、Sidewalk Labsが、
カナダ・トロントのスマートシティ開発計画である「Sidewalk Toronto」プロジェクトを発表しています(参考記事:https://www.kddi-research.jp/topics/2019/070401.html)。

このような「全てのインフラをIT・デジタル化」することが、DXだとされています。

 

会場では、Sidewalk Torontoプロジェクトに対し
「何らかの理由でGoogleアカウントが停止したら、街自体に入れなくなる恐れがある」との懸念が語られていました。

つい先日、Paypayの決済サーバーがダウンし
ユニクロをはじめとした電子決済レジがパニック状態に陥っていたことなど、
1社が独占して個人アカウントを管理する手法は、サービス提供リスクが高いことが窺えます。

そのようなDXに伴うリスクに対する知見が、会場でいくつも発表されていました。

 

不正対策

次に、個人的に大変楽しみだった「楽天の不正対策」も
かなり時間短縮されていましたが無事聴講できました。
外部への情報公開を禁止されているにふさわしい内容だったと思います。

弊社および弊社クライアント企業でも、同様あるいは同質の対策を提案できればと強く感じています。

 

AI・機械学習

NVIDIA社による機械学習の最新動向の発表では、
AIトレンドは一旦落ち着いて、純粋な成長期に移行したようなお話を拝聴できました。
正直技術の内容が難しすぎて、専門外の私ではついていけません…
AIすごいわ、GPUすごい。処理速度が速いからAIにええんやね。

ううっ。。。どなたか、私にもう一度あの講演内容を解説してください。。。

 

サイバーフィジカル複合訓練

泊原発のサイバーフィジカル複合訓練の発表は、中身こそほとんど公開できないものの、
2013年から2016年のシナリオ公開訓練を経て、
2017、2018年にブラインド訓練が行なわれた話が聞けました。

関係省庁への連絡、連携、シナリオ策定など、1回訓練を行うために、20回以上打ち合わせが必要とのこと。
やればやるほどサイバーっぽくなくなっていっているそうですが、原発が乗っ取られるのはとても困るので、引き続きサイバーっぽい訓練であるといいなあと思いました。

 

セキュリティシンポジウムは、意見交換が活発です

かなり断腸の思いで中止された意見交換会を吹き飛ばすかのごとく、
初日夜のナイトセッション、車座会議、大盛り上がりでした。
地域ITセキュリティコミュニティについての会議で、田井もつい熱くなってしまいました…

情報セキュリティに携わるみなさんは、本当に横のつながりが強い印象です。

そもそも、「俺があいつよりイカすもん作って一旗揚げるでぐへへ」といった
これぞクリエイター魂と言った雰囲気をあまり感じません(あ、むしろハッカー側の心理ですね、「一旗揚げる」って。。。)。

それよりも、
サイバー脅威から会社や社会を守るためにスクラムを組んだ方が、ずっとメリットが強く、
目的達成に近づける、というのが共通認識に思えます。

 

情報セキュリティは結局防衛経費でしかなく、売り上げに転じないため
消極的な企業が多いとちらほら聞きますが、予防接種は大切だよね、ということで、
盛り上げていきたい気持ちを引き締めての帰路になりました。

 

関連リンク

サイバーセキュリティシンポジウム道後2019
サイバー犯罪に関する白浜シンポジウム・情報危機管理コンテスト
情報セキュリティワークショップin越後湯沢

 

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