「フォント(書体)」を見直すだけで、クリエイティブの品質が驚くほど良くなることは少なくありません。良質な書体は、論理的な設計と自由な発想から生まれるクリエイティブを下支えしてくれます。そして、インターネットでの情報収拾は文字が主体と言って差し支えない状況ながら、遠視、乱視、近視、ドライアイ、疲れ目など、本文をじっくり読むのが辛い、読みたくないシーンは増えているように思います。
本文書体に、ユニバーサルデザインフォント(以下、UDフォント)を提案・採用されることが増えています。
UDフォント=誰でも読みやすい書体
UDフォントとはなんでしょうか。
フォントベンダーのモリサワは、モリサワUDフォントのことを下記のように紹介しています。
文字のかたちがわかりやすい
文章が読みやすい
読みまちがえにくい
次に、ユニバーサルコミュニケーションデザイン協会が制作したUDフォント「みんなの文字」は、下記のような紹介があります。
「みんなの文字」は、「劣化した状況でも見やすく」をテーマに、人間中心設計のプロセスと科学的基準により開発された、第三者認証であるUCDA認証を取得している唯一のUDフォントです。
イワタUDフォントは「読みやすく、誤読されにくいを基本コンセプト」に、下記の4つの観点から開発しているそうです。
- 視認性 … 文字ひとつひとつの構成要素を視認しやすくする
- 判読性 … 誤読しにくく、他の文字との判別をわかりやすくする
- デザイン性 … シンプルさ、美しさ、整理、整合性をもつ
- 可読性 … 文字列としての単語・文章の読みやすさ
紹介文に各社のUDフォントの特性が現れていますが、
視認性・判読性に優れ、可読性が高いことが共通しています。
読みやすい書体=「情報自体の内容が伝わりやすい」、
本文向き
さて、文字情報は、大きく分別すると本文と見出しの2つに分けられます。
本文は情報自体の内容を伝えることが目的だと言えるでしょう。
UCDAは「みんなの文字に変えたら、会議時間が、ぐっと短縮された」としています。
可読性・判読性が高い書体を使うことにより、より素早く内容を伝えられるということであれば、ぜひ活用したいと思いませんか?
装飾書体=「印象が伝わりやすい」、見出し向き
さて、では、見出しにもUDフォントを活用するべきでしょうか。
見出しは「そのセクションのタイトル」で、どちらかといえば少ない文字数で、かつ、大きめの文字サイズで記されることがほとんどです。
大きな文字はそもそも視認性・判読性・可読性に優れているため、デザイン性に比重を置いて、ブランドイメージを伝えさせたいと言えます。
ウェイト(文字の太さ)、大きさ、使用書体数は必要最低限に
文字の大きさ、太さ、書体数は、必要最低限に絞った方が効果的です。
色もあまり多く使いすぎない方が良いでしょう。
原稿、コンテンツなど内容によりますが、基本的なお勧めは3色程度です。
見出し用、本文内の強調用2種類の3色です。
おすすめのUDフォントと装飾書体
UDフォント「みんなの文字」WEBフォントは、無料で使用可能です。
このブログは、「みんなの文字」を使用しています。
「みんなの文字」は、利用登録が必要ですが、20〜30分あれば登録完了します。
無料使用の場合「みんなの文字を使っています」という注釈画像が表示されます。
モリサワWEBフォント「TypeSquare(タイプスクウェア)」は、
1書体・月間1万PVまで無料使用可能です。
膨大なフォント製品の中から、任意の1書体・1ウェイトのみですが、月間1万PVまで無料使用が可能です。
また、エックスサーバーというレンタルサーバーをご利用の場合、月間25000PVまで利用できる書体が7種類あります。
モリサワWebフォントは、スタイルシートによる文字詰め(カーニング)が行えます。
文字詰めを行うと、文字間の隙間が調整され、判読性の高い見出しづくりが可能になります。
Webフォントのご相談・ご提案・お見積りを承っております。